kintone plugin series

kintoneの標準画面でルックアップを利用する際、私たちは「コピーしたいレコード」を視覚的に選択しています。これはkintoneに対し、「このレコードの中から必要な値をコピーして下さい」と指示を出している状態です。

しかし、プラグインやカスタムJavaScript、APIを利用する場合、kintoneへの指示は異なります。プログラムが出せる指示は「このレコードの中からコピー」ではなく、「この"値"をルックアップフィールドに入力するから、一致するレコードを探して、その中身をコピーして下さい」というものです。

つまり、カスタマイズにおけるルックアップ操作は「レコードの選択」ではなく「検索キー(値)の入力」であると理解する必要があります。

もし、入力した値に一致するレコードが参照元アプリに複数存在する場合、kintoneは「どのレコードをコピーすべきか」を判断できません。その結果、以下のような挙動が発生します。

• 画面操作の場合：

  候補が複数あるため、自動で値を確定できず、再度選択を促す「標準選択画面」が表示されます。

• APIによる更新・追加の場合：

  「コピー元のフィールドに重複した値があるためコピーできない」といったエラー(または一意に特定出来ない旨のエラー)が発生し、処理が拒否されます。

これは、kintoneが「対象レコードを一つに絞り込めないため、安全にコピーができない」と判断し、処理を止めてしまうために起こることなのです。

この問題を解決するには、kintoneが迷わないように「コピー元フィールド」が必ず一つに定まる仕組みを決める必要があります。

• 方法 A：

  参照元アプリの「コピー元フィールド」の設定で、「値の重複を禁止する」にチェックを入れる。

• 方法 B：

  システム的に必ず一意となる「レコード番号」をコピー元フィールドに指定する。

これらによって「この値=このレコード」という1対1の関係が保証され、カスタマイズ時でもスムーズにルックアップが実行されるようになります。